韓国実効支配の岩礁「離於島」 中国が領有権主張 資源豊富、外交問題発展も [世界情報]

【ソウル=加藤達也】27日付の韓国紙、東亜日報は同国南部・済州島南方の東シナ海にあり、韓国が実効支配する海中の岩礁「離於(イオ)島」(中国名・蘇岩礁)近海で沈没船を引き揚げていた韓国船に対し、中国政府派遣の船舶が「領海侵犯」を理由に作業の中止を要求していたと報じた。韓国政府によると、中国側が領海侵犯を主張したのは初めてで、両国の外交問題に発展する可能性もある。

 韓国政府関係者によると、韓国側は4月、離於島南西約0・8キロの海上で沈没した5万トン級貨物船の引き揚げ作業を開始。一方、中国側は6月13日と7月2日、5日の3回、船舶を派遣し、韓国側に「中国領海内での無許可作業だ」と作業の中止を要求した。

 これに対し、韓国側は現場海域に海洋警察庁の警備船を派遣して、「作業は韓国政府の許可の下に実施されており、中国が関与する事案ではない」と通告、中国の船舶は海域を離れた。韓国側は「中国の領海拡張が目的だ」と警戒感を強めている。

 離於島周辺海域は海底資源が豊富とされる。2003年、韓国が近海に海洋科学基地を建設すると、中国船舶が付近を巡回するなど「韓国側の海域支配を強く牽制(けんせい)するようになった」(韓国政府関係者)。

 中国は韓国の海洋基地についても、「法的効力を伴うものではない」と繰り返し主張。06年には中国外務省が「蘇岩礁は(国際法上の島ではなく)東シナ海北部の海面下にある暗礁」と指摘、中国領海内の岩礁であることを強調していた。

 東シナ海では、中国が日本固有の領土である尖閣諸島の領有権を主張しているほか、南シナ海でも、中国は南沙(英語名スプラトリー)、西沙(同パラセル)諸島の領有権をめぐり周辺各国・地域と争っている。


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